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算数教科書の読み方 5 [企画・思考]

算数教科書の読み方 5
日常授業は教師の「馴れ(なれ)」によって進められていく。
このことに最も注意を払わなければならない、私は最近そう思っている。
習慣化されたことは、誰もが無意識のうちのそれを繰り返すのである。
研究授業を年に一回くらいしたのでは、習慣化された日常授業を変えるカンフル剤
とはならないのだと、私は考えている。
習慣化ということについては、長期記憶という視点から脳の機能についての知識を
おさらいしておく必要があると思った。
「脳科学辞典」にあるこの図を是非みていただきたい。
次の図だ。
 

長期記憶の分類Fig1_long_term_memory2.jpg

この図は脳科学辞典の「陳述記憶・非陳述記憶」のページに掲載されている。「記憶の分類」図1として示されている。
引用元は:「L R Squire, S M Zola
Structure and function of declarative and nondeclarative memory systems.
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.: 1996, 93(24);13515-22」とされ、そこに元の
図画示されている。これだ。
pq2162482001.jpg

当然のことながら、日々の教材研究(授業準備と私は言っている)時にもこの
陳述記憶、非陳述記憶ということが関わってくる。算数であろうと、国語であろうと
関わって来るのである。
最も大事なことは、技能・習慣は「手続き記憶」として次第に無意識化されるという
ことだ。先の脳科学辞典によると非陳述記憶とは、「意識上に内容を想起できない
記憶で、言語などを介してその内容を陳述できない記憶である。非宣言的記憶とも
呼ばれる。」とある。さらに手続き記憶をみるなら、「手続き記憶(運動技能、
知覚技能、認知技能など・習慣)は、自転車に乗る方法やパズルの解き方などの
ように、同じ経験を反復することにより形成される。一般的に記憶が一旦形成されると
自動的に機能し、長期間保たれるという特徴を持つ。」とある。
つまり、日常授業は、習慣化が進めば進むほど、それは無意識的に繰り返される
ものとなるのだと推測できる。無意識的に繰り返されている授業だから、説明する
ことが非常に困難なのかもしれない。
今回は算数教科書の読み方を話題にしている。
ご自分が授業に入る前に、算数教科書をどのように読んでいるか、その手順や方法を
客観的にふり返ってみてほしい。読むというのは書かれている内容のみを読むという
意味ではない。図や絵などに含まれる視覚情報や、目次、索引等教科書に書かれている
ことすべてをどうミルかということだ。


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