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思考ツールと問いの構造6 [企画・思考]

思考ツールと問いの構造6
一人研究授業は授業力向上の切り札2
授業の生データをミルことが大切だ。
前回そのようなことを書いた。
ここで以前本ブログで紹介した、髙橋宏知「メカ屋のための脳科学入門」に驚くべき
記述があることを示しておきたい。つぎの部分だ。
        ◆
「脳の階層構造ー脳はほとんど外界情報を必要としない
 ひと昔前まで、脳は、図3.6のような階層的な情報処理をしていると考えられてきた。
つまり、「低次」の領野では、視覚情報が形、大きさ、色などの要素に分解され、
「高次」の領野では、それらが再統合された後、脳内のデータベースと照合され、何を
見ているかが認識される。しかし、この情報処理モデルは、脳の解剖学的な事実を全く
反映していない。すなわち、低次領野の入出力関係を調べてみると、図3.6のように
情報は、一方向に伝達されるわけではない。むしろ、高次領野からの入力が圧倒的に
多い。」
        ◆
図の3.6は前掲書図版から次に引用させていただく。
        ◆
IMG_20180624_0002.jpg
        ◆
驚くべき記述があるのはその後の部分だ。
 
詳細は是非前掲書をお読みいたければと思うが、
要約するとその内容は次のようになる。
・視覚情報は網膜で神経信号に変換された後、脳幹の外側膝状体で中継され、大脳皮質の
 一次視野覚に至る。
・外側膝状体に網膜から入る情報はたったの2割しかない。8割は一次視野覚からのもの。
・一次視覚野に入る情報もまた高次視野覚からの情報が8割で、外側膝状体からのものは
 2割程度である。
・一次視野覚で処理されている情報のうち網膜の情報は2割×2割とするとたった4%と
 なる。
・一次視野覚で処理される情報の実に96%が内部情報ということになる。外界からの
 情報は4%に過ぎない。
IMG_20180624_0001_edited-1.jpg
髙橋氏は「いかに、我々が妄想の中で生きているかがわかるだろう」とまで述べている。
我々の授業をミル「目」も非常に危ういものだということが髙橋氏の著作から見えて来る
のである。
そして、とりあえず授業中に交わされる言葉に着目して録音から得られる生データをミル
というのが「一人研究授業」の発想であり、本質だ。


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