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★★落ちこぼれ問題はどこへ行った?3★★ [企画・思考]

★★落ちこぼれ問題はどこへ行った?3★★
「落ちこぼれ」問題に関連する最新論文が発表された。
「日本の科学者2024、1月号」の中の、次の論文である。
・伊田勝憲「発達障害等の排除と包摂をめぐる課題ー『通常の学級』におけっる学習面での困難に着目して」
伊田氏は、論文中で、「落ちこぼれ」という言葉は使用されていない。論文の最初には次のように
記されている。
「通常の学級において特別な教育的支援を必要とする児童生徒はこの10年で増加したが、特に『学習面で著しい困難』が見られる割合は学年進行とともに『減少』する。文部科学省が実施した複数の調査結果を見比べると、特別支援学級への転籍及び不登校に至るケースが少なくないと推測される。発達障害の子どもたちが通常の学級から事実上『排除』され、教室内の多様性が損なわれつつあることが危惧される。」
 「学習面で著しい困難」を抱える児童は、巷間いわれる「落ちこぼれ」とほぼ等しいというのが、私の認識である。
伊田氏は、論文のまとめに次のように記されている。
「・・・『通常の学級』における特に学習面での困難が学年とともに減少して見えるのは、設問設定内容の性質による影響というよりは、特別支援学級等への転籍や不登校に至るケースが少なからず存在し、厳しい表現をすれば、学年進行とともに『排除』が進行しているためと考えられる面があるといえそうである」
現場に40年いる私としては、伊田氏のご指摘を肌で感じることが多い。
一体何が変わったのだろうか。
一つは、教師を取り巻く環境の変化である。放課後に子供を残して勉強を教えるということが難しくなったということは多くの教師が認めるところであろう。
二つ目は、教師の世代交代である。私が就職した頃には暗黙の了解として「自分のクラスからできるだけ落ちこぼれはだしなくない。出さないぞ」という気概のようなものがあったのだと思う。その気概のようなものが伝承されずに来たのではないかということだ。
三つ目は、日常授業において教師があたり前のようにしていることが、変えられずにいるため、結果的に「落ちこぼれ」を生み出しているということだ。
四つ目は、「発達障害もどき」の問題だ。成田奈緒子氏が「『発達障害』と間違われる子どもたち」で指摘されたことである。
次回以降は、少しずつこれらの変化について考えて行きたい。
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