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学力論を整理する 5 [企画・思考]

学力論を整理する 5

前回の学習方略マンダラを今一度眺めてみた。
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前回参考にした佐藤浩一「学習支援のツボ」(北大路書房)には、伊藤崇達氏の3つの
分類が取り上げられている。詳しくは、是非それをお読みいただきたい。
3つの分類とは、
「抽象的方略」
「基礎的方略」
「自己調整方略」
だ。
「抽象的方略」とは、「よく先生の話を聞く」「宿題をきちんとやる」のように具体性に
欠けるやや曖昧な方略だという。
「基礎的方略」とは、「色ペンで書いたり線を引く」「同じ問題を繰り返し解く」など、
先のマンダラに示した反復方略と認知方略を含むという。
「自己調整方略」とは、「わからない問題は、なぜわからなかったのかを考える」
「いつまでにどれだけやるという計画を立てる」などで、学習者自らが計画、ふり返り等
をすることを指すようだ。
 ここからが特に興味深いので前掲書から正確に引用する。
「 結果は3つの点で注目されます。 
  第一に、大学生が報告した方略の59%は基礎的方略でした。次が自己調整学習方略
 で29%、抽象的方略は12%でした。つまり『勉強の方法や工夫』といったときに真
 っ先に思い浮かぶのは、『繰り返す』『何度も書く』『線を引く』といった単純な方法
 であり、よりいっそう思考を働かせる自己調整学習方略はその半分程度でした。
  第二に、こうした方略を自分で考えたのか、人から教わったのかを分類しました。す
 ると自己調整学習方略の66%は自分で考えてたのに対して、基礎的方略の56%は先
 生や友人など他者から教わっていました。
  第三に、他者から教えてもらった場合、口頭での注意や指導で教わったケースが34
 %、授業などでの一斉指導が26%と多かったのに対して、実際にやって見せてもらっ
 たというケースは15%だけでした」

 このデータが正しいとすると、学校ではほとんど基礎的方略を教えるにとどまっている
ということでしょうか。

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