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学力論を整理する 8 [企画・思考]

学力論を整理する 8

キーコンピテンシー等については、文科省や国立教育施策研究所のウェブサイトに
ある報告書、資料等が参考になる。10年以上も前から継続的に資料が提出され検
討されているようである。
最近では、「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関
する検討会― 論点整理―平成26年3月31日」が特に参考になると思った。
つぎの部分である。少々長いが引用させていただく。
 
               ◆
④ 諸外国におけるコンピテンシーに基づく教育改革の潮流
○ 昨今、世界各国において、今日的に育成すべき人材像をめぐって、断片化された
知識や技能ではなく、人間の全体的な能力をコンピテンシーとして定義し、それを
もとに目標を設定し、政策をデザインする動きが広がっている。

○ 特に、OECDの「キー・コンピテンシー」の概念については、グローバル化と
近代化により、多様化し、相互につながった世界において、人生の成功と正常に機
能する社会のために必要な能力として定義されており、OECD生徒の学習到達度
調査(PISA)にも取り入れられ、大きな影響を与えている。
この「キー・コンピテンシー」の概念については、具体的には、次のような内容
で構成されている。
・言語や知識、技術を相互作用的に活用する能力
・多様な集団による人間関係形成能力
・自律的に行動する能力
・これらの核となる「思慮深く考える力」
○ また、国際的に「21世紀型スキル」を定義し、評価の在り方を検討するプロジ
ェクトが進められ、その成果は、PISA2015の問題にも一部取り込まれる見
込みである。
このような動きを受け、各国においても21世紀に求められる資質・能力を定義
し、それを基盤にしたナショナル・カリキュラムを開発する取組が活発となっている。
○ これらの取組については、いずれも、
・言語や数、情報を扱う基礎的なリテラシー
・思考力や学び方の学びを中心とする認知スキル
・社会や他者との関係やその中での自律に関わる社会スキル
という大きく三つの資質・能力を育成しようとしている点が共通している(参考1)。
その際、特に、認知スキルや社会スキルは汎用的な能力、すなわち、教科等横断的
に育成する資質・能力として重視されている(国立教育政策研究所の「教育課程の
編成に関する基礎的研究報告書5『社会の変化に対応する資質や能力を育成する教
育課程編成の基本原理』2013年3月より)。(参考1)
スライド1.jpg
○ なお、これらの資質・能力と教育課程との関連について、例えば、オーストラリ
アでは、大目標の資質・能力を下位の資質・能力に細分化して各教科等の内容に埋
め込んでいる点が特徴的である。運用に当たっては、仮説的なものを一旦作り、そ
れを幾つかのところで試行し、集約して改善していくというような、国の政策形成
と学校とを往復させるシステムを採用している。
また、ニュージーランドにおいては、資質・能力と内容を国がそれぞれ提示し、
その両者をつなぐのは学校や教師の役割とされている。
○ 上記のような諸外国の取組についても、ねらいとする汎用的能力等の育成にどの
程度つながっているのか、その成果や課題を更に検証し、今後の検討に役立てる必
要がある。
               ◆
(参考1)の表は少々見にくかったので、清書した。

いずれにしても(参考1)をみる限り、大きなくくりは次の3つであることがわかる。
・基礎的リテラシー
・認知スキル
・社会スキル
ここで、わかったようでわからないのが、リテラシーとスキルの違いだ。
次回はこのへんを考えてみようと思う。


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