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ジル・ボルト・テイラー「WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン)」に学ぶ [企画・思考]

ジル・ボルト・テイラー「WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン)」に学ぶ
ロボマインド・プロジェクト代表の田方さんに教えてもらった本である。
ジルの類いまれな経歴については、ネット検索をしていただければと思う。
私が、もっとも心を引かれた記述は次の箇所だった。
「人生でわかりきっているのは『変化する』こと。
私たちの右脳は、オープンで、広々としていて、柔軟性があり、適応力があり、回復力があるので、変化に対応できるのです。
今あるものを、今あるうちに楽しむ。今あることに感謝し、やがてそれを手放し、次に来るものを歓迎する。それが、私たちが選ぶべき生き方です。
私たちの喜びや回復を邪魔するのは、左脳の配線です。でも、
左脳の<キャラ2>の役割は、生き方指南ではなく、もともと警告装置だったのです。」
この部分はとても重要だと感じたので、原著にもあたってみた。
つぎのように書かれていた。
 
「The most predictable constant in life is change, and we are wired in our right brain to meet change by being open, expansive, flexible, adaptable, and resilient. Learning to enjoy what we have while we have it, releasing it with gratitude that we had it at all, and then choosing to celebrate what comes next is one way we might choose to live. The only thing standing in the way of our expressing our joy and resilience is the wiring in our left brain that says, “No, I don’t want that because I do not feel safe.” Thank goodness we have this automatic knee-jerk response to push danger away, but our Character 2 is designed to be a warning, not a way of life.(Bolte Taylor, Jill. Whole Brain Living (pp.260-261). Hay House. Kindle 版. )」

「生き方指南ではなく、もともと警告装置だったのです」
の意味が原著にあたってもよくわからなかった。
そんなとき、東洋経済ONLINEに翻訳者竹内薫さんがジル本人にインタビューした記事が掲載された。
そこには、次のように書かれていた(一部引用)。
「・・・この感じる脳は、自分にとって危険だったことや、不安だったことを記憶することに長けています。そうしてこの先に起こりそうな危険を察知し、身の安全を守ろうとするのです。重要な役割ですが、行きすぎると何事にも不安が先行することになります。」
「この感じる脳」とは、ジルがキャラ2と読んでいる左脳の感情を司る部分を指す。
つまり、この部分は、危険や不安を記憶することに長けているため、本来は危険を察知し身の安全をまもろうとするためにあるということのようだ。これが警告装置=a warningなのだと思う。
ところが、ここに重きを置き過ぎると「何事にも不安が先行」することになるということだ。

養老孟司さんは、「養老孟司の大言論III 大切なことは言葉にならない(新潮文庫)」で次のように述べている。
「・・・言葉がなければ、過去は伝えられないが、同時にすべての情報は過去なのである。情報を『新しい』ものと見なす常識も、そろそろ棄てるべきではないか。インターネットに示されている情報は、すべて『済んでしまったこと』にしか過ぎない。すべてのニュースもまた同じである。若者たちが一日数時間、インターネットを見ているということは、若者は近過去に埋没する時代になったということである。人類がもっぱら過去を見て暮らす世界というのは、異常ではないのか。・・・」

同感である。ジルが述べた「何事にも不安が先行」する原因は、情報にその原因があるように思う。しかもニュースという過去情報にである。過去をふり返ることは重要だと思う。が、それは自分の経験としての過去をふり返ることが私の場合中心になる。ただただネガティブ情報としての過去情報にとらわれることは、不安が不安を呼ぶループを形成しかねないと私は思う。
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