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学力論を整理する 1 [企画・思考]

学力論を整理する 1

 整理とは行為的には「捨てること」。
 今泉浩晃「メモ学入門」から学んだことだ。
 あたりまえのことだが、これがなかなかできない。
 できないから、学校の教育課程は年々肥大している。
 次の学習指導要領改訂に向けた中央教育審議会教育課程企画特別部会の論点整理
などをみると、観点別評価の観点が一定程度整理されるように感じる。
 是非とも、思い切って「捨てる」という方向で整理が進むことを望みたい。
 さて、学力の捉えについて、自分なりの整理を再度しようと思っていたら、素晴らしい
ウェブサイトがあることを知った。

 「学力を考える・・・・」というサイトである。

 この素晴らしいサイトをつくってくさだった方は、どなただろうと思いながら
拝読していたのだが、欄外にメールアドレスがあったので、思い切ってメールを
出してみた。
 すぐにお返事をいただくことができた。
 結論から申し上げると、某工業高校の先生が自力でまとめあげられたサイトだった。
「先生、素晴らしいサイトをおつくりいただき、ありがとうございます」
 
 
というわけで、「学力を考える・・・・」から、「新統合理論」という項目の部分を
引用させていただく。

        ◆
第1の理論
 最も古い理論で「一般的な力,精神的な力が転移する」と主張するものです。
古典語や数学といった「科目」を習得することを通して身に付く記憶力・推理力・想像力
などの精神的能力・意志の力などの能力が,他の学習の際に促進的に作用する,つまり,
転移すると主張します。
 この理論を根拠にすれば,学校で教えるべきことは「科目」であるということになりま
す。近年,話題にされる速読,多読,百ます計算,体験学習,勤労体験などは,いずれも
この考え方から派生してきた教育活動のアイディアです。
 
第2の理論
「一般的な思考の技能と能力が転移する」と主張する理論です。この理論を根拠にすれば,
学校で教えるべきことは「一般的な思考技能と学習方略」であるということになります。

第3の理論
「第2の理論」に対して「知識と技能は領域固有であるため転移しない」と主張する理論
が登場してきました。あることに「熟達する」ということは,特定の領域固有の現象で
あって,他の領域の間で,転移はしないと主張します。そして「転移するのは領域固有の
知識と学習方略である」としました。したがって,学校で教えるべきことは「領域固有の
知識と学習方略」であるということになります。

これまでの3つの理論は,後続学習に促進的に作用するものが「何か」,つまり,転移
するのは「何か」を明らかにし,学校で「何を」教えるべきかを主張するものでした。
しかし,いずれの理論も,効果的な「教育実践の基盤」には成り得ませんでした。そして,
これらの理論の正しい点を統合した「新統合理論」が1980 年代初期に登場してきました。
この理論では「何を」教えるべきか,ということに加えて「どのように」教えるべきか,
を明らかにしています。

第4の理論・・・新統合理論
 新統合理論の主張は「適切な内容」を「適切な方法」で教え,かつ,生徒が「自分の
思考や学習をモニターし,コントロールすること」すなわち,メタ認知を伴えば,異なる
領域間でも転移するというものです。メタ認知能力が身についている人なら,領域固有の
知識を学習した際に用いた学習方略を,他の領域のどこで使えそうなのか,どのように
モニタリングしていったらいいのか,といった学習ができているために,学習の転移が
実現できるというわけです。

       ◆

第1の理論から、第4の新統合理論までをシンプルにまとめてくださった。
まずは、繰り返し読んでみたいと思う。


 
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