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漢字指導・・・やる気、意欲をつくる [国語]

赤ねこ漢字スキルの宣伝をするわけではないが、
特に優れていると私が感じているのが練習枠を限定したというところだ。
なぞり書き1マス。写し書き2マス。
この少ないマスの意味を改めて考えてみたい。

ある塾の先生から、こう教えた頂いた。
「塾は学校に比べてさらに短時間の勝負です。漢字も『4回書くうちに覚えなさい』と指導するのですよ」と。

学校で今も行われている指導が、「ノートに一行ずつ書きなさい」というものである。
これは、練習回数が多ければ多いほどよく覚えるというドリルの理論に基づいているものだろう。
ちなみにDrillを英和辞典でひくと、練習、教練などの意味がヒットする。繰り返し教え込むという意味が強いようだ。

このへんの整理が、子どもたちの意欲形成にも大いに影響するような気がする。
機械的な練習は、例えば、「校」という字を練習する際、左側の「木へん」を先に書いてしまってあとから「交」を書くというようなことになってしまいがちなのである。
一行練習では次のようなこともしばしば起こる。下に行くにしたがって字形がくずれたり、雑になるという現象である。ひどい時は途中で誤り最初の字と異なる字になることもある。

私は、なるべく効率的に集中して覚えるシステムを支持したい。

機械的な練習は、例えば「宿題」と名前を変え、もう覚えてしまったできる子の時間も束縛するからだ。

赤ねこ漢字スキルの指書きは、できる子にも、苦手な子にも優しい方法だ。
苦手な子は数多く練習できる。得意な子は、短時間でさっと覚えられる。
指導者はこのことをしっかりと捉えておく必要があるのだと思う。
苦手な子には「君は今は覚えるまでは時間がかかるタイプなのだから、覚えるまで指書きを丁寧にするんだよ」「時間が足りなかったら予め指書きで練習しておいで」など、個別指導するのがよいと思う。

つまり赤ねこ漢字スキル自体に子どもたちの意欲を喚起するシステムが組み込まれているわけだ。
問題は、それを指導者がしっかりと捉えているかどうかだと、私は思う。

漢字が苦手な子に対しては、補習もしばしば行われる。いわゆる残り勉強というやつだ。
若い頃、岸本裕史先生の講座で次のような趣旨のお話を伺ったことがある。
「私は補習を毎日します。つまらない会議をする時間をもつなら補習をします」
その時は、聞き流していたが、その後、この言葉が私を苦しめることになった。
データをとりながら補習をしてみたのだが、一週間に1,2回の補習では、まったく効果があがらなかった。やらないのとほとんど同じだった。そればかりか、「え、また残り勉」と子どもたちの意欲が低下していったのである。
冷静に考えれば、補習は子どもたちにとって6時間の授業をした後のいわば残業である。
熱意があればなんとかなると、私自身が考え違いをしていたのかもしれない。

補習の問題は未だに解決していないが、漢字が苦手な子にはほとんど効果がないことだけはわかった。
意欲を喚起するには、まずその子に自分がどういうタイプなのかを認識させる必要があるように思う。
つまり苦手の根幹に迫ることだ。
・時間がかかるから。
・高得点がとれないから。
・作業としての練習が苦痛だから。
・覚えても使う場面がないから。
私は4月に一度だけ補習をすることにしている。
目的は自分がどういうタイプなのかを理解させ、練習の方向性を私と共有するためである。

今、何人かの先生方に週に何度も補習をしなくても効果があがるか検証をして頂いている。



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