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書く力をつける7 [国語]

子どもたちに書く力がついたかどうかは、子どもたちのアウトプットをみればわかる。
本来なら、クラスのすべての子どもたちが書いたものを載せ、事実をそのままみても
らい判断して頂くのがよいと思う。
私は、子どもたちが書いたものの一部を学級通信に記録してきた。
一つだけ心がけてきたことは、子どもたちが書いたものを誤字等があってもそのまま
掲載してきたことだ。また、いわゆる行事の後に書く「行事作文」はほとんど書かせ
たことはないので、日常の日記が中心となる。
10年ほど前の6年生の通信から2,3を紹介する。
なお、次のイラストは子どもたちが考え選んだクラスのキャラクターである。
ピクチャクリッピング.jpg
学級通信にも毎回題字の脇に掲載していた。
<児童A> 
2月24日(木)
 冷たさが伝わってくる、体育館の端に座って、ドッヂボールを見ている。視線の
さきにあるのはボールだ。「はた」と書いてある文字が目立って見えるのは気のせ
いだろうか。(注:「はた」は私が子どもたちに貸している黄色いボールです。私
の名前が「はた」と書いてあります。)
 「あの時出ていれば」と後かいする気持ちがあった。
 私は給食が終った後、とある男子から、「くるだけでもいいから来て」と言われ
た。そのため行くことにした。一人の女子をさそったが、いっしょに行ってはくれ
なかった。
 わけあって、少しおくれてしまったので、体育館の入口から、そっとのぞいて見
た。2組と対戦していた。私は、わきにいて、ドッヂボールを見ていた人がいたの
で、私もわきから見ていた。
 しばらく彼女たちといっしょにいたが、彼女たちは、コートの中の人によばれて、
コートの中にいってしまった。行こうかと思ったけど、なんか、私は呼ばれていな
いと思って行くのをやめた。後で、後かいするとも知らずに・・・。
 さて、試合も終わりに近づいたころ、見ているこっちまで気分が乗ってきた。思
わず、かけ声もでる。だれに言われたかぜんぜんおぼえていないけど、「外野から
でもいいから入りなよ」と言ってくれた人がいた。けれども私は苦笑しただけで、
入りはしなかった。
 その後、2組は全滅し、わが6年4組が勝った。試合に出ていない私がエラそう
なことは言えない。けど、次回は初めから、ドッヂボールでも、バレーボールでも、
出てみようかなという気がした。
 なにかが芽ぶいたような気がする。

<児童B>
 3/1
 うちのネコは、まだ1年もかっていないのに、もう何年もかっているような気が
する。えさの時も、えさばこをコンコンコンとたたけば2階にいても、コタツの中
にいてもおりてくる。
 2階の戸を、閉めていたとき、ネコがトイレに行きたかったらしく、ニャーと鳴
くようになった。前までは、とびらをかりかりひっかいていただけだったのに。え
さのときに、名前を呼んで、返事しなかったら、えさをあげない戦法のおかげだっ
た。
 前の写真と今のネコを比べると、異様に成長しているのがよくわかる。友達に、
「このネコ大きくなったねー」
と言われた。自分では、そう感じないが、成長しているのである。ネコも自分も、
同じに、ぼくも成長しているのである。自分では気がつかないけど。
 今、すべてのものが成長して、一つずつ、物をおぼえている。一歩、一歩、大
人に近づいてきている。そして、自分の足で、一歩、一歩、あゆんでゆく、ふみ
しめてゆく。
 そしてまた、ほかのものが、成長してゆく。悲しいことも、苦しいことも、さ
みしいことも、楽しいことも、みんな感じて成長してゆくんだ。

<児童C> ※念のためチーム名はイニシャルに変更してあります。

 2月28日(月)
 きのう、MN杯があった。僕達の...引退試合だ。
 5チームを招待し、計6チームで試合を行う。それを2つのブロックに分け、
3チームでリーグ戦を行う。Aブロックが、MR、MD、TD、Bブロックが、
TG、TM、そしてMNだ。
 まず、TMと試合をした。かなりおしていたものの、なかなか点が入らず引き分
けに終った。
 僕達がTGとあたる前に、TMがTGと試合をした。MNとしては、あまり点差
がつかないでほしかったのだが、TM3ー0TGでTMが圧勝。僕達はTGに4−0
以上で勝たないと決勝へは進めない。各ブロックの1位どうし、2位どうしという
ふうに戦うので、ブロック2位だと全体で3位or4位にしかなれない。だから、
TG戦でどうしても4点差をつけて、得点を多くしなければならないのだ。
 そして、ついにTG戦。
 前半は良いムードで1点取った。後半もこの調子で3点・・・と思っていたのだ
が、2点決めた所で終了の笛が鳴った。3ー0だ。
 ・・・不安がよぎる。
    TM0−0MN    この場合、勝点、得失点差、得点
    TM3−0TG    TMと全て同じなためTMとPK戦
    MN3−0TG
 PK戦とは、GK(ゴールキーパー)にとって、ものすごいプレッシャーのかか
るものだ。みんな「入って当たり前」とやる前からはげますが、僕が止められなけ
れば負けるかもしれないのだから、そう冷静でもいられない。
 もうその時のきんちょうといったら、足がふるえるほどだった。味方が決めれば
少し楽になるのだが、外すとさらにプレッシャーがのしかかってくる。生きている
気がしなかった。
 それでも、僕は6本中3本止めた。そして、MNのみんなは4本も決めた。・・・
そう、僕達はついにPKでTMをやぶったのだ。僕は「仲間」とだき合い、喜び合っ
た。すると、なんだか、目になみだがあふれてきた。
 うれしくて、ほっとして・・・。

 決勝は、おしくも1ー2でやぶれたが、「準優勝」というすばらしい言葉を胸に、
僕達は引退した。

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