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新学期のあたりまえを見直す 1 [企画・思考]

新学期のあたりまえを見直す 1
「馴質異化」という言葉がある。
見慣れたものを見慣れないものにすることだそうだ。
既に知っているもの・ことを新たな視点からみることで新しい着想を得る、
そのようなことだと思う。
教師もベテランになればなるほど、このことを肝に銘じておく必要があるのかも
しれない。慣れると、様々なことを無意識のうちに「自分の習慣として」進めて
しまう。「暗黙知」とか「非陳述記憶」などのメカニズムについては、改めて学び
直しておきたい。
具体例を挙げる。
新学期、いろいろな手紙を配布するだろう。
例えば、これを
・先生が配る
のか
・児童一人一人に取らせる
のかということだ。
先生が配ることが、あたりまえになっている。
あるいは、そのことしか頭にない場合は、二つ目の選択肢は自然と除外される。
問題は、二つの方法のどちらがベターかということだ。
あるいは、第3の道があるのかということだ。
いずれにしても、先生が配ることがあたりまえということでは、
馴質異化にはならないのである。
馴質異化は、創造性の技法だそうだ。
教師がまず創造性に目を向けることなしに、新学習指導要領にある、
「豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される児童」
の育成は難しいのではないか。私は常日頃そう考えている。
さて、問題はさらに具体的な方法をどうするかだ。
児童一人一人に取らせるは、方法ではあるが、一つの方向でもある。
一人一人に素早く取らせるための方法を具体的に考えるのである。
あるいは、子供とともに考えたり、子供に考えさせるのも学年によっては面白い
かもしれない。
私の経験では、一定のトレーニングを積むと、教師が配布するよりも子供に取ら
せた方がはるかにはやくなる。特に、配布する手紙が複数あるときはなおさらだ。
・「1分以内で全員が取り終えます」と指示を出す。
・取る順番を予め決めて、流れるように次々と取らせる。
・人同士がぶつからないように、もどる方向も決めておく。
・取ることに集中させる。
・・・
など、具体を考えることがあたりまえを見直すことにつながると思うが、どうだろうか。

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