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漢字指導・・・定着のための方策 [国語]

漢字定着のための方策については大いに具体論を語りたい。
私がとった定着のための方策は次の通りである。

◎10問テストを3回繰り返した後に、30問テストを1回入れる(書きのみ)。
 ※合格は9割の27問以上とした。

◎以下、10問テスト3回毎に1回の割で30問テストを繰り返す。

◎問題は順番を入れ換えずに、10問テストでしたものをそのまま3つつなげて出題する。

なぜ30問テストにしたか。
理由は次の4つである。
(1)3回の小テストの後に1回の30問テストというサイクルをつくることにより、
   子どもたちに見通しをもたせること。
(2)30問なら15分以内でテストをできること。
(3)A4版の用紙に10問ずつ3段で入る限界の大きさであること。
(4)努力しないとなかなか満点はとれない問題数であること。

学期末には4〜5枚の30問テストを終えることになる。
そして、学期末には
◎30問テスト4〜5枚を一気に1時間でテストし、それをもってあゆみの成績とした。
結果は、平均して95%程度の習得率となった。

まだ中途半端になっている仕事もある。
それは、誤答の徹底的な分析だ。
30問テストをする。
そして、それぞれの子が何番の問題を間違えたのか記録するのである。
Excel等の表計算ソフトを使えばその集計も非常に簡単にできる。
例えば、
出席番号1番の子は、①、⑨、⑮を間違えたとする。
その3つの数字を記録するのである。
全員分の誤答番号について集計し、分析する。
これならば、ほんの一手間かけるだけで誤答の傾向をみることができる。
・画数が少なくても多くの子が間違う漢字。
・極端に誤答率が高い漢字。
・指導時期や教材と誤答率の関連がみえる漢字。
そんな誤答の傾向がみえれば、指導にそれをフィードバックできる。
特に画数が少なくても間違えやすい漢字などは、指導の段階で練習回数を増やす等の措置をとれるのである。
私はこういうことこそ、現場で積み重ね、集まったデータを共有すべきだと思う。
戦後60年、ただ丸をつけるだけでそういうデータをほとんど積み重ねて来なかったことは、大いに反省すべきことだと、私は思っている。
インターネット時代の今なら、指導のデータを共有することなど簡単にできるはずである。
若い先生には、そういう工夫を是非してもらいたいと願っている。







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漢字指導・・・10問テストで高得点をとらせるには [国語]

漢字の10問テストで高得点をとれるようにするために、次のような手立てをとった。

◎漢字テストは、予め問題がわかっている唯一のテストだ!
ということを子どもたちに力説した。

◎テストの練習は、テストでするのが一番!
ということを子どもたちに力説した。

ここで登場させたのが、私が勝手に命名した「いんちき紙」である。
といってもただの白紙だ。
使い古しのカレンダー等をとっておくとよいだろう(裏の白紙を使う)。
その紙をスキルのテストの問題に重ねて、いくつ書けるかを予めテストするのである。
もちろん、ゆび書きもよいのだが。
テスト前に書いて、自分で採点して、それからテストに臨ませる。
テスト前に一旦テストするので「いんちき紙」なのである。
テストには書き込まないので、違反行為ではない。漢字テストならではの使い方だ。

さらに、確認テストの効率を上げるには、
番号を1〜10までふり、○×でチェックするのである。
自信をもってかけるものには○、怪しいものには×をつけてチェックする。
×だけを再度練習して、最終的には1回いんちき紙でチェックすれば終了である。

この方法も万能ではない。
自己採点が甘いと、間違ったまま○をつけテストに臨むことになる。
自己採点が甘い子には、採点時のポイントを別に教える必要がある。

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漢字指導・・・採点をどうする [国語]

スキルの採点をどのようにするかはいろいろと試行錯誤を繰り返してきた。
このところは次のようにしている。
◎毎日あかねこ漢字スキルを使用し、新出漢字3つずつ進み、指書き、なぞり書きの部分を終えた子からその場で丸つけする(放課後に仕事を残さない)。
◎正解の場合は、少し縦に長い丸になるが3マスまとめて三重丸をつける。
◎うっとりするくらい美しい字にはときに花丸をつける。
◎誤りのある部分には×をつける。但し直してきたら大きく三重丸をつけ×が見えなくなるようにする。
◎誤りには赤ペンをいれず、最後まで自分で直させる。

子どもたちを並ばせ次々に採点させるのだから、
少々工夫が必要になる。
◎採点ページをしっかり開かせる。
◎教師が採点しやすい向きに出させる(スキルを両手でしっかり持ちさっと出させるようにする)。
◎前の児童の採点が終わると同時に次の児童がスキルを差し出すようにする。
いちいちスキルを子どもから教師が受け取り丸付けしたのでは、時間内に終わらない。
流れをつくり、作業効率を高める。
このへんがコツといえばコツかもしれない。

ちなみに漢字スキルはテスト部分を切り取れるようになっているが、
私は絶対に切り離して使用しない。
テスト問題を再利用するためである。


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漢字指導・・・いくつずつ教えるか [国語]

これも、明確な答えはまだ得られていないことだ。
しかし、授業日数と新出漢字の総数からある程度のめやすをつくることは可能である。
新出漢字は3年以上でおよそ200文字である。
年間授業日数を200日とすると、毎日一文字ずつ新出漢字を教えればよい計算になる。
しかし、10問テストをすることを考えるとそれに年間30回程度を充てる必要がある。
さらにまとめのテストをするとなると年間6回くらいはそれにさく日が必要になる。
さらに学校行事でつぶれることを見込むと20回ぐらいはマイナスになる。
つまり、60日程度がテスト他に必要になる計算だ。
差引140日が教えるための授業日数となる。
140日をコンスタントにすることは不可能なので、半分の70日と見積もると。
一日3個程度覚えることが必要だという結論に至る。
実際には読み替えの漢字があるので、70日と見積もってやや余裕があるといった感じだ。

◎毎日3つずつ教える。

このことだけを忠実に守った初任者(私が関わった)はいずれも短期間で大きな成果を上げている。
子どもたちから進んで「漢字をやろう」「漢字大好き」という声が上がるようになったのだそうだ。
何より学校の中で一番進度がはやい。平均点も90点あたりをキープしている。

断定的には言えないが、毎日3つずつ教えるというのが正解に近いのかもしれない。
これについてはご意見をお寄せ頂ければ有り難い。





漢字指導・・・やる気、意欲をつくる [国語]

赤ねこ漢字スキルの宣伝をするわけではないが、
特に優れていると私が感じているのが練習枠を限定したというところだ。
なぞり書き1マス。写し書き2マス。
この少ないマスの意味を改めて考えてみたい。

ある塾の先生から、こう教えた頂いた。
「塾は学校に比べてさらに短時間の勝負です。漢字も『4回書くうちに覚えなさい』と指導するのですよ」と。

学校で今も行われている指導が、「ノートに一行ずつ書きなさい」というものである。
これは、練習回数が多ければ多いほどよく覚えるというドリルの理論に基づいているものだろう。
ちなみにDrillを英和辞典でひくと、練習、教練などの意味がヒットする。繰り返し教え込むという意味が強いようだ。

このへんの整理が、子どもたちの意欲形成にも大いに影響するような気がする。
機械的な練習は、例えば、「校」という字を練習する際、左側の「木へん」を先に書いてしまってあとから「交」を書くというようなことになってしまいがちなのである。
一行練習では次のようなこともしばしば起こる。下に行くにしたがって字形がくずれたり、雑になるという現象である。ひどい時は途中で誤り最初の字と異なる字になることもある。

私は、なるべく効率的に集中して覚えるシステムを支持したい。

機械的な練習は、例えば「宿題」と名前を変え、もう覚えてしまったできる子の時間も束縛するからだ。

赤ねこ漢字スキルの指書きは、できる子にも、苦手な子にも優しい方法だ。
苦手な子は数多く練習できる。得意な子は、短時間でさっと覚えられる。
指導者はこのことをしっかりと捉えておく必要があるのだと思う。
苦手な子には「君は今は覚えるまでは時間がかかるタイプなのだから、覚えるまで指書きを丁寧にするんだよ」「時間が足りなかったら予め指書きで練習しておいで」など、個別指導するのがよいと思う。

つまり赤ねこ漢字スキル自体に子どもたちの意欲を喚起するシステムが組み込まれているわけだ。
問題は、それを指導者がしっかりと捉えているかどうかだと、私は思う。

漢字が苦手な子に対しては、補習もしばしば行われる。いわゆる残り勉強というやつだ。
若い頃、岸本裕史先生の講座で次のような趣旨のお話を伺ったことがある。
「私は補習を毎日します。つまらない会議をする時間をもつなら補習をします」
その時は、聞き流していたが、その後、この言葉が私を苦しめることになった。
データをとりながら補習をしてみたのだが、一週間に1,2回の補習では、まったく効果があがらなかった。やらないのとほとんど同じだった。そればかりか、「え、また残り勉」と子どもたちの意欲が低下していったのである。
冷静に考えれば、補習は子どもたちにとって6時間の授業をした後のいわば残業である。
熱意があればなんとかなると、私自身が考え違いをしていたのかもしれない。

補習の問題は未だに解決していないが、漢字が苦手な子にはほとんど効果がないことだけはわかった。
意欲を喚起するには、まずその子に自分がどういうタイプなのかを認識させる必要があるように思う。
つまり苦手の根幹に迫ることだ。
・時間がかかるから。
・高得点がとれないから。
・作業としての練習が苦痛だから。
・覚えても使う場面がないから。
私は4月に一度だけ補習をすることにしている。
目的は自分がどういうタイプなのかを理解させ、練習の方向性を私と共有するためである。

今、何人かの先生方に週に何度も補習をしなくても効果があがるか検証をして頂いている。



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35人のクラスでも10分で完結する漢字指導を目指して [国語]

 このところ光村版「赤ねこ漢字スキル」を使用してきた。
 短時間で漢字指導をするには最適な教材と感じたからである。

 35人のクラスでも指導から評価(採点)まで10分で完結することを目指す。10分で完結しないと漢字以外の国語の指導ができなくなる。
 漢字指導は始業前の10分間か国語授業冒頭の10分間のいずれかを使ってしてきた。毎回、3つずつ進むようにした。10分では3つが限界であった。

 まず、毎年4月には、1単位時間をとって次のような指導をした。

(1)指導の冒頭で表紙裏の「覚え方」を子どもたちと一緒に熟読する。
 こういうところは読み飛ばしてはいけない。スキル編集者の意図が詰まったマニュアルだからだ。
 書かれている通り、
 ①指書き
 ②なぞり書き
 ③写し書き
を基本とした。
 初回に次のことを補足した。
 ①指書きのメリット
  ・・・どこにでも書けます。友達の背中にだって書けます。空中にも書けます。
     大きくも、小さくも書けます。いくらでも先に進めます。漢字スキルを全
     部やりきっても痕跡は残りません。チャイムと同時に座って先生が万が一
     来なくても始められることです。
 ②なぞり書きのメリット
  ・・・字の大きさや形をそっくり真似できます。なぞるうちに書き順も確認でき
     ます。だから5回くらいはなぞってここで書き順も暗記します。1mmも
     ずれないようになぞればお手本そっくりの美しい字が自然に書けるように
     なります。
 ③写し書きのメリット
  ・・・たった2回で仕上げができます。つまり集中力が試されているのです。指
     書き〜なぞり書きが完成されていれば、お手本そっくりの字が書けるはず
     です。それを確認する場所です。曖昧ならば①,②に立ち戻るべきです。


(2)実際に一文字を練習する。
 ①児童に最初の一文字を指書きをさせながら、その文字を板書。
  いちいち板書してからそれをみて指書きさせるのでは時間がかかる。
  先にスキルをみて今日習う字を指書きさせる。板書は一文字でなく熟語にする。
 ②指書きを20秒くらいさせたら、立たせて黒板の単語を読ませる。
  読めない子が多いようならふりがなをふる。
  ・全員で
  ・列ごとに
  ・班ごと
  など読む人を次々にテンポ良く変え、繰り返し読ませる。
  ふりがなは途中で消す。
  熟語の意味は子どもと一緒に確認し、必要に応じて補足する。
  教師は今日教える一文字については必ず辞書にあたり意味を確認しておく。
 ③全員で書き順を確認する。
  私は準備時間の要らない空書きをお勧めする。
  子どもの表情が見え、一斉指導できる優れた方法である。
  子どもたちには大きな声で、大きく空書きさせることが重要。
  ここで、トメ、ハネ、ハライも確認する。
 ④なぞり書き、写し書きと進ませる。
 ⑤できた子から教卓脇に並ばせ順に採点する。
  ※わずかな間違にも×をつける。何もいわず×をつける。
   どうして×になったのか自分で見つけさせる。
 ⑥採点が終わった子には次の指示を出す。
  ・「左側の練習ページします」
  ・「次回以降の文字を指書きします」
  ※終わった子には次の課題があることを初日にわからせる。
 ⑦毎日10分で3つずつ進むことを子どもたちに予告する。
  ※初めは時間がかかるが徐々にスピードアップすると告げる。
(3)翌日からは(2)の過程を10分で終わらせる。
  3つが難しければ2つから始める。
  採点が時間内に終わらなければ諦めてそこで切る。
  休み時間に丸付けする(放課後に仕事は残さない・・・覚悟でやる)。
 
 さて、現時点での漢字指導に関する課題を自分なりに整理してみた。

 1.子どもたちのやる気・意欲をどのようにつくるか。
 2.毎日いくつずつ教えるか。
 3.国語の時間のどこに位置づけ効率よく教えるか。
 4.子どもたちにはどのように練習、復習させるか。
 5.教師の採点はいつ、どのようにすべきか。
 6.短期のテストの合格率を上げるにはどうすればよいか。
 7.長期定着のための方策は。
 8.覚えた漢字を作文等で自在に使えるようにするにはどうすればよいか。

 思いつくまま書き出してもざっとこのくらいはありそうだ。
 できれば「10分でその日の指導が完結する漢字指導基本型の完成」を目指したい。


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