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今年もご愛読ありがとうございました [挨拶]

今年もルーディメントをご愛読いただきありがとうございました。
ルーディメントは正確にはルーディメンツと複数形で表すことが多いようです。
ドラムの奏法をRudimentsということから敢えて単数形にしていますが、意味は同じです。

今年、最もご愛読いただいた記事は、「閉脚跳び(かかえこみ跳び)は誰でも
跳ばせられる(加筆再掲載)」でした。
その記事単体で42000ものアクセスをいただきました。
やはり、皆さんが求めているのは具体的に「できる」方法なのだと感じました。
来年はもう少し具体的な方法についても書いてみようと思います。
書きかけとなっている記事も多数あります。
忘れているのではなく、最近は、ゆっくりじっくり考えることが多くなったためです。

歳をとればとるほど、「精読」「熟考」「再考」「再読」など、繰り返し、ゆっくりと
取り組むことが大切な気がしています。
そういう意味では時代に逆行しているのかもしれませんが、ご容赦ください。
改めて、お読みいただいた皆様に感謝申し上げます。

どうぞ、良いお年をお迎えください。

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算数教科書の読み方 5 [企画・思考]

算数教科書の読み方 5
日常授業は教師の「馴れ(なれ)」によって進められていく。
このことに最も注意を払わなければならない、私は最近そう思っている。
習慣化されたことは、誰もが無意識のうちのそれを繰り返すのである。
研究授業を年に一回くらいしたのでは、習慣化された日常授業を変えるカンフル剤
とはならないのだと、私は考えている。
習慣化ということについては、長期記憶という視点から脳の機能についての知識を
おさらいしておく必要があると思った。
「脳科学辞典」にあるこの図を是非みていただきたい。
次の図だ。
 

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算数教科書の読み方 4 [企画・思考]

算数教科書の読み方 4
さて、ここからは具体的な教科書の読み方について考えてみたい。
まず、私がお勧めするのは読む前によく眺めるということだ。
繰り返しになるが、教科書指導書ではなく、教科書そのものを
よく眺めるということだ。
デザイナー今泉浩晃氏は「マンダラートの技法」で次のように述べられている。
「考えるということの本質は、日常の習慣化されたモノの見方なのです」
教科書の読み方は、一人ひとりの先生方によって異なるはずです。
初任者とベテランではきっと異なるのでしょう。
ここで気をつけなければならないことは、初任者であろうとベテランであろうと、
しばらくすると読み方が「習慣化される」ということです。
 

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算数教科書の読み方 3 [企画・思考]

算数教科書の読み方 3
前回引用させて頂いた、藤井斉 亮先生の「教科書のご紹介」には非常に重要な
ことが示されていると感じている。今一度その部分を引用させて頂く。

「世界は日本の教科書にも注目しています。日本の教科書は、算数の内容の確か
な解釈に基づいて作られているからです。教材研究の結晶ともいえます
教材の価値が、子ども達にもわかるように工夫しました。・・・以下略・・・」
(太字は私による)

「教材研究の結晶ともいえます」
この部分が非常に重要だと感じたのである。
現在(いま)の教科書は、これまで様々な議論があったことを踏まえることを
前提に「厳選された問題群」で構成されている。そのような意味にこの部分を
私は受け取った。しかもそれが系統的に編集されて配列されているのが現在の
算数教科書なのだろう。 

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算数教科書の読み方 2 [企画・思考]

算数教科書の読み方 2
ふと思った。
算数教科書を読む前に、算数教科書ってそもそも何ということを。
「また、変なことを言うな」
と思われた方は、是非読み進めていただきたい。
・問題解決学習
・系統学習
という言葉がある。
算数は系統性の強い教科である。その証拠に、例えば平成27年度版東京書籍
2年生以上の教科書目次には、その単元につながる単元が明示されている。
6年生の教科書目次には、中学のどの内容につながるかも書いてある。そういう
意味では、教科書全学年の内容は系統的に配列されているのである。だから、
全体的に教科書は系統学習のシステムと言えるのである。難易度も1年から段々と
6年に向けて難しいものになっていくのである。
 

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国語という教科への疑問2 [企画・思考]

国語という教科への疑問2
簡単なリーディングスキルテストの問題について、中高生の誤答が多い原因
を私なりに考えてみる。
最も大きな原因は小学校の6年間でリーディングスキルの基礎が身について
いないからだと私は考えている。
では、その基礎とは何かと言えば、つぎの2つではないかと思う。

1.言葉(語句)の意味をとらえること。
2.(言語)環境に適応できること。

1.は関連する言葉に言い換えることだ。言葉の意味は別の言葉で言い換える
  パラダイムで表すことができる。言葉の意味がわからなければ、文章は読めない。
2.は言葉同士のつながり方をみることができることだ。文脈、階層性といっても
  よいかもしれない。中心と周辺というみかたもできるし、ネットワークという
  みかたもできるだろう。

ペーパーテストは、一定の条件下で、様々な問いに答えるものと言えるだろう。
ところが、この一定の条件というのがくせ者だ。
認知心理学でいうところの文脈依存性や領域固有性が関係してくるからだ。
テストのカタチといってもよいかもしれない。
例えば、学力・学習状況調査のB問題が挙げられるだろう。
小学生では、まず問題と解答用紙が別のテストという条件が加わるだけで、
普段のテストとは状況が異なるのである。
「そこに、複数の資料を読む」「字数制限のある短文で答える」といったさらなる
条件が加わることによって、状況は複雑化する。
リーディングスキルテストについても、テストのカタチは問題にしなければならない。
例えば、運転免許をとるための学課試験があるが、あれも独特のカタチがあるのは
ご承知のとおりだ。
「これって、読解テスト?」と思わせる部分もあるのである。
だから、学課試験の前には必ず「練習問題」を解かせるのだろう。そして、テストの
カタチに慣れさせるわけだ。
リーディングスキルテストについても「どんな条件下で行われたのか」をわれわれは
知る必要があるのである。

全国学力・学習状況調査についても、そろそろその信頼性と妥当性が検証されるべき
時が来ているように私は思う。国がつくったテストだから、その2つが担保されてい
ると考えるのはあまりに検討が足りないと考えている。
例えば、小学生の問題をランダムに抽出した大人にもさせて結果を比較すれば興味深
いデータが得られるのではと、私など考えてしまう。

重要なことは、学力はテストで測られるという点である。

誤答が多いという報道があると、「え、そんなにできないの」となる可能性がある。
が、ここはちょっと立ち止まって、それを調べたテストという「環境そのものに適応
できたのか」という視点で検証する必要があると、私は考えている。


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